日本の鉄道外交は脱・新幹線で勝負せよ!!
<東南アジアでの受注競争で中国に負けても既存路線を活用した高速化計画に勝機あり>
新幹線は主役の座を下りつつある──新幹線を中心に「鉄道外交」を展開してきた日本だが、最近の東南アジアでの受注状況を見ると、そんな感慨を抱かざるを得ない。
中国は10年ほど前から「一帯一路」戦略の下、高速鉄道(HSR)の輸出を開始。対抗すべく日本の安倍晋三政権は2012年以降、新幹線の売り込みに注力してきた。
2010年代以前に日本が新幹線技術を輸出したのはただ1度。2007年開通の台湾高速鉄道だけだ。新幹線は中国版HSRに比べコスト高だが、安全性や効率性など性能面で勝負できるとの見方もある。
日中のHSR受注競争は、東南アジアが主戦場だ。2010年代半ばには、タイ、インドネシア、マレーシア、シンガポールで、日中が大規模プロジェクト獲得にしのぎを削った。
太っ腹の資金援助やホスト国に取り入る融通無碍(ゆうずうむげ)のアプローチ、それに低コストのおかげだろうが、中国は3件の事業を受注。対して日本の受注は1件にとどまった。
中国が受注したのはタイの首都バンコクとナコンラチャシマを結ぶ区間、着工が大幅に遅れたインドネシアの首都ジャカルタとバンドン間路線、そしてまだ計画段階にあるバンコク〜ラヨーン路線だ。
それに比べ日本が受注した唯一の案件──バンコクとチェンマイを結ぶHSR事業は、採算性が危ぶまれ、計画中止になりかねない雲行きだ。
ベトナムは日本への発注に傾いているが、南北を結ぶHSR建設には巨額の事業費がかかる。そのため2010年に議会で計画案が否決された経緯があり、今年再計画されたものの、コスト面などで日本の受注は難しそうだ。
参照記事:
www.newsweekjapan.jp
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鉄道外交による途上国のインフラ支援は日本に強みはありそうですね。